とや

とや
I
とや
(連語)
〔格助詞「と」に係助詞「や」の付いたもの〕
(1)「と」によって示される事柄に対する疑問の意を表す。 …というのか。 …というのであろうか。

「春霞たなびく山のさくら花うつろはむ~色かはり行く/古今(春下)」

(2)文末に用いて, {(1)}と同じ意を表す。

「帰り去りにけりとなむ語り伝へたる~/今昔 1」

(3)文末に用いて, 問い返しの意を表す。 …というのだな。 近世の用法。

「奥様には三味線をなされます~/歌舞伎・好色伝授」

~あらん
ああだろうか。

「~かくやあらん(=アアダロウカ, コウダロウカ)と思い迷う」

II
とや【鳥屋・塒】
(1)鳥小屋。 特に, タカを飼う小屋。
(2)ツグミなどの小鳥をとるため設けた小屋。
(3)タカの羽が夏の終わりに抜け, 冬にはえかわること。 その間{(1)}にこもることからいう。
(4)遊女が梅毒のために髪が抜けること。 また, 梅毒。

「髪は~を患ひしと見えて生え際薄く/洒落本・十界和尚話」

(5)舞台花道の揚げ幕内に設けた小部屋。 俳優が花道の出を待つ所。
~に就(ツ)・く
(1)タカ・鶏などが夏の終わり頃, 羽の抜けかわる時期に巣にこもる。
(2)遊女などが梅毒にかかり, 髪の毛が抜ける。

「さてまた此の妖怪は, 猫でもなく幽霊にもあらず, ~・いた新造なり/洒落本・双床満久羅」

(3)旅興行が不入りなどのため, 役者や芸人がその地を発(タ)てずに宿にこもっている。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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